首の痛みと共に腕にしびれや力が入れにくいといった症状が出てしまう頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)というものがあります。
頚椎の横から出ている神経が周りの組織に圧迫されて起こるとされていて、神経が圧迫されることにより、首や腕にも痛みやしびれ、皮膚の感覚の変化、力が入れにくいなどの症状が出ることがあります。
圧迫だけでなく、頚椎周辺のはたらきが低下することでも起こります。
加齢による関節の変性、神経の出口が狭くなる、椎間板のヘルニア、などが原因として考えられ、 過去に何度か首の痛みを経験したことがある方に多い傾向があるとされています。
多くの場合で片側だけに症状が出ますが、両方に出ることもありえます。首や腕など上の図で色分けされた場所に一定のパターンとして症状が出ることが多いです。(*デルマトーム)
40~50代に多いとのデータもありますが、どの年齢でもなりえます。(3)
重いもの持つ・水泳のダイビング・振動する道具を使う・ゴルフをするといったことが長期にわたることで要因の1つとなりうることも報告されています。(5)
- 「学生時代にやっていたスポーツの影響と言われた」
- 「節々に痛みや倦怠感がある」
- 「腕のしびれ・痛みがひどくて仕事にならない」
- 「手術という選択肢の前に何かできることがあればやりたい」
- 「薬を飲んでいるがなかなか良くならない」
多くの場合で自然に良くなっていくとされていますが、なかなか良くならない・何かできることを積極的にやっていきたいという方も多いように思います。
日常生活での動作にも大きく影響してしまうので、お困りの方はまずはこのページをお読みいただき理解を深めていただければと思います。
なんで首が原因で腕の症状が出るの?
頚椎は7個あり、その間から8つの神経が出ています。これらの神経が頚椎から出る部分で圧迫されたり、神経に炎症が起きたりすることで症状につながると言われています。
*神経根は末梢神経よりも圧迫に敏感なため起こりやすいとされています。 (2)
- 加齢により関節の状態が変わってしまったことによるもの
- 椎間板ヘルニアが関係するもの
の2つがよくある原因として挙げられます。(2)
首の骨の下の方(下部頚椎:C5~C7)が影響を受けることが多く、それらに順じた症状のパターンが出ることが多くなります。(3)(4)
70~75%は加齢などによる関節の変性によって神経の出口(椎間孔)が狭くなり起こると言われています。ケガや外傷が原因でなる方は少なく、15%程とも言われています。(1)
交通事故歴・むち打ちの既往歴とも多少なり関係があるようで、評価の際には大切な情報となります。
OSCに来られる方の中では、学生時代に首を酷使するスポーツをやっていた方(ラグビー、レスリングなど)、高齢の方が多い印象です。
痛みや症状は人それぞれ
- このページで紹介している複数の図において色分けされた部分のように一定のパターンに沿った腕の痛みやしびれ
- 首の痛み・首こり・肩こり
- 腕・手指の力が入りにくい・筋力の低下
- 腱反射の異常
- 頭痛
- 肩甲骨周りの痛み
- 首や上肢の感覚異常や運動異常
などが出る可能性のある症状として挙げられます。(2)
ですが、痛みや感覚・筋力の低下が必ずしもあるわけではありません。
多くの場合で、上を見上げた状態で、症状のある方向を向くと症状が悪化するもしくは再現されます。
逆に、腕や手を挙げる、手を頭の上に置いたりすることで症状が和らぐこともあります。*治っているわけではなく、一時的に神経へのストレスを軽減させているためです。
首周りがかたくなったり、動きが制限されたりすることで肩こり・首こりが一緒に出ることもあります。肩甲骨の内側(肩甲骨の間)に痛みが出ることもあります。
*下の表と図からわかるように、どのような症状が出ているかによって、問題を引き起こしている・引き起こされている神経に違いがあります。
あなたにあった”施術+エクササイズ”が大切です
★頚椎症性神経根症だと判断するにはレントゲンやMRIでの診断が必要なため、上で挙げたような症状がある場合はまずは整形外科などの医療機関でみてもらうことをおすすめします。
90%以上のケースで、自然に良くなっていくとされている問題ではありますが、よりアクティブにケアしていきたいという方には運動などを交えた方法をとることが多いです。(5)
また、なかなか良くならない、診断はされたけど何をすればいいのかわからないなどの場合は、生活習慣に対するアドバイス・徒手療法・エクササイズなどを含めた統合的なアプローチを行っていきます。
特に、首周りの筋肉を鍛える・普段の姿勢や寝る体勢などを変えていくなどの生活習慣の改善は大切なので、そういったことに関してもOSCではアドバイスさせていただきます。
カイロプラクティック、その他のマニピュレーションによるアプローチに関しては効果は報告されていますが、画像での正確な診断が行われてから行うべきなど、評価をまずはしっかりと時間を使って行ってからやるべきこととされています。(3)
頚椎以外の部分の動きを良くすることも大切なので、からだ全体をみて評価していきます。
むやみやたらに徒手でアプローチしていい問題ではないので、経験と知識のある専門家にお願いすることが大切です。少なくとも説明や評価なしでいきなり首をボキッとやるようなところは絶対に避けてください。
OUMIスポーツカイロプラクティックでは、
- 背骨や骨盤などにカイロプラクティックアジャストメントを行い、脳とからだのコミュニケーションを良くしてその後の運動やエクササイズがより効率良く行えるようにからだを整えていきます。アジャストメントは時間を使った評価の後に必要であれば行います。
- 首・肩・肩甲骨周りの筋肉のバランスを整えることも大切です。最終的には上半身・全身とからだ全体のはたらきも考慮に入れて施術とエクササイズを行っていきます。
- 「なぜ首にそんなに負担がかかってしまったのか」を生活・仕事・運動習慣からしっかり評価しないと根本的な解決は難しくなります。そして、これらは人によって違うので1人1人にあった評価を時間をかけてする必要があります。
- 再発しないために日常生活で改善するべきところ、適切なアドバイスやエクササイズは正しい評価があってこそ提供できるようになります。
◎OUMIスポーツカイロプラクティックではそれらの評価とアプローチ全てを行うことができます。【カイロプラクティック】・【筋肉のバランスケア】・エクササイズ指導・生活習慣へのアドバイスを含む総合的なアプローチを提供しています。
アクティブにケアしていきたいという方はまずは正しい評価から。お気軽にご相談ください。
*初回の評価をもとに作成したケアプラン(施術計画書)に沿って、根本解決をサポートします。
*検査結果によっては医療機関の受診・再受診をすすめることもあります。
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参考文献:
- Souza TA (2014). Differential Diagnosis and Management for the Chiropractor 5th Edition. Burlington, MA: Jones & Bartlett Learning.
- Physiopedia. Cervical Radiculopathy. Retrieved from https://www.physio-pedia.com/Cervical_Radiculopathy.
- Rodine RJ and Vernon H. Cervical radiculopathy: a systematic review on treatment by spinal manipulation and measurement with the Neck Disability Index. J Can Chiropr Assoc. 2012 Mar; 56(1): 18–28.
- Eubanks JD. Cervical radiculopathy: nonoperative management of neck pain and radicular symptoms. Am Fam Physician. 2010 Jan 1;81(1):33-40.
- Iyer S and Kim HJ. Cervical radiculopathy. Curr Rev Musculoskelet Med. 2016 Sep;9(3):272-80.
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