カイロプラクティックは、関節の機能が低下することに伴って『脳がからだの状態を正しく把握できなくなった状態 (=サブラクセーション)をアジャストメントと呼ばれる手法によって改善させるもの』です。
脊椎(背骨)にくっついている小さい筋肉が運動やスポーツによるケガや悪い姿勢、使い過ぎなどによってかたくなってしまうことで脊椎の動きが制限され、関節の機能が低下すると言われています。
カイロプラクターはそういった動きの低下している関節を検査や触診から正確に評価し、アジャストメントが必要なところにだけ行います。アジャストメントを行うことで脳とからだが上手くメッセージをやり取りできるようにサポートします。
そういった意味で、カイロプラクターは脊椎と神経の健康に携わることができ、肩こりや腰痛だけでなくあなたが気分良く人生を過ごすためのお手伝いをします。
人の脳は、からだの機能の全てをコントロールしているワケですが、なにも「脳⇒からだ」というように一方通行で行われているワケではありません。
からだの至るところからいろいろな情報をメッセージとして送ってもらい、その上で判断してコントロールしています。
その情報の1つが脊椎の動きであり、人がどのくらい動けているかという指標になるものです。
脊椎の動きが悪いと、脳が正しいメッセージを受け取れないために、「実際の動き」と「脳が思う動き」に差やズレが生まれてしまいます。
アジャストメントを受けることで、そういった脳とからだにおけるミスコミュニケーションを少なくし、脳がからだの状態をしっかりと把握できるようになります。
*詳しくはこちらから⇒脊椎のズレとは
「カイロプラクティック=関節をボキッと鳴らす」というイメージを持たれている方は多いかもしれません。
多くの場合、アジャストメントで関節に刺激を入れる時に音が鳴りますが、それは関節が動かされたことにより内部の圧力が変わることでガス・気泡が関節内に発生した時の音です。
音が鳴るのは関節に刺激を入れた結果であり、鳴らすことが目的ではありません。
『関節が鳴る=良いアジャストメント、またはアジャストメントの成功』と思いがちですがそうではありません。
あくまでアジャストメントを行う人がしっかりと関節の動きを感じとれるかが大切です。
*「鳴らさないと意味がない」ということは絶対にないので、無理にそういった施術は受けないようにご注意ください。
日本ではカイロプラクティックは法制化されていない為、専門学校での教育レベルやカイロプラクターの知識レベルには差があります。
ですが、カイロプラクティック発祥の地であるアメリカでは国家資格として認められているので、カイロプラクターになるためには基準を満たした正規の教育課程を修了する必要があります。
正規の教育課程を修了し、国家試験の全科目にも合格することでドクターオブカイロプラクティック(DC)と呼ばれることになります。
2021年現在日本で活動しているDCは100人程度とされています。
院長の近江が卒業した学校の一例ですが、最短で3年半、300単位以上、約4500時間という膨大なプログラムで構成されており、解剖学や生理学などの基本的な分野から、鑑別評価学・レントゲン・リサーチ/研究などの分野まで幅広くカバーします。
一番多くの時間を割く分野が、ある人に対してカイロプラクティックを行うべきか、まずは専門家を紹介するべきなのかといった、カイロプラクター自身が出来ること出来ないことを把握した上で、人それぞれに合ったものを提案・提供するための評価に関することです。
カイロプラクティックの安全性や信頼性にも直結する分野でとても重要視されています。
*カイロプラクティックの教育課程について
母校Life Universityでの教育課程の一例⇒DCプログラム
カイロプラクティックは1895年にアメリカで生まれ100年以上も歴史のあるものですが、近年ではその効果に関する研究がいろいろと発表されており注目を集めています。
代表的なものが、ニュージーランドにあるカイロプラクティックの学校のリサーチ・研究部門の代表であるDr. Heidi Haavik達のグループによるものです。
脊椎・背骨の動きが低下している部分を正確に見つけ出し、その部分に対してアジャストメントを行うと、その刺激は脳まで到達し、筋肉の機能などを含む多くのからだの機能を改善させられる可能性があるというものです (1)(2)
そういった効果がスポーツなどのパフォーマンスにも影響するであろうことは想像しやすいかと思います。⇒スポーツカイロプラクティック
カイロプラクティックは肩こりに効く、腰痛に効くといったイメージがあるかと思いますが、実はそういったもの以上の効果・からだ全体に対する影響があるのではないかと言われています。
参考文献:
Haavik H, Kumari N, Holt K, et al. The contemporary model of vertebral column joint dysfunction and impact of high-velocity, low-amplitude controlled vertebral thrusts on neuromuscular function. Eur J Appl Physiol. 2021;121(10):2675-2720.