インナーマッスルという言葉、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
腰痛予防や、体幹・コアトレーニングなどを説明する時に聞くことがあります。
インナーマッスルとはからだの深い部分にある筋肉で、からだを動かすというよりは主に”動かす前にからだをしっかりと安定させる”ための筋肉です。安定させるということで英語ではスタビライザー(stabilizer)と呼ばれたりもします。
からだ(関節)を動かす時は、まずインナーが働いて関節を安定させ、アウターが働いて関節を動かすというのが基本的な動きのメカニズムです。
このはたらきの順番が、”悪い姿勢・昔のケガ・偏った生活リズム・運動不足など”が原因で逆になってしまい、関節が安定していないのに無理に動かしてしまったために、痛みやケガにつながるというのが一般的に言われています。
インナーマッスルとネットで検索すると以下のような筋肉が見つかります。
- 腹横筋
- 骨盤底筋
- 横隔膜
- 多裂筋(たれつきん)など
多裂筋とは背骨と背骨をつないでいる小さい筋肉(上図)です。この筋肉の説明をオフィスでするとだいたい「こんなところに筋肉があるんですか!」と驚かれます。
カイロプラクティックがインナーマッスルに与える影響
カイロプラクティックは関節からの正しい情報を脳へと送ることをサポートしていると以前からお話ししてきました。
その情報の1つに背骨(脊椎)にくっついている筋肉がどの程度ちゃんと働いているかという情報があり、そこで出てくるのが多裂筋(インナーマッスル)です。
カイロプラクティックアジャストメントを脊椎に行うことで多裂筋(インナーマッスル)からの情報を脳へと送り、脳とからだのコミュニケーションに影響を与えています。
カイロプラクティックは脊椎・背骨周辺のインナーマッスル(多裂筋など)から脳とからだに働きかけ、さらには関節の動きも良くすることで、インナーマッスルが効率よく使えるようにもしています。
しかも、多裂筋などは自分自身でトレーニングをすることでコントロールできるようにするのは難しい場所なのでカイロプラクティックのように外からアプローチすることができるのは貴重なことです。
動く時、運動する時、スポーツをする時に、からだがしっかりと安定して準備ができた状態で動くというのはとても大切です。
ケガや痛みの予防のためにということも出来ますが、人としてのパフォーマンスアップのためにカイロプラクティックを利用することが出来るのも面白いですよね。
多裂筋以外のインナーマッスルには影響しないの?と思った方。
実は「カイロプラクティックと腹横筋・腹斜筋」「カイロプラクティックと骨盤底筋」「カイロプラクティックと姿勢と呼吸」などに関しても関係性が言われています。詳しくはまた別の機会に触れたいと思います。
参考文献:
-
Pickar JG and Bolton PS. Spinal manipulative therapy and somatosensory activation. J Electromyogr Kinesiol. 2012 Oct;22(5):785-94.
- Boyd Clark LC, Briggs CA and Galea MP. Muscle spindle distribution, morphology, and density in longus colli and multifidus muscles of the cervical spine. Spine 2002;27(7):694 701.
- Hides JA, Mendis MD, Franettovich Smith MM, Miokovic T. Cooper A and Low Choy N. Association between altered motor control of trunk muscles and head and neck injuries in elite footballers An exploratory study. Man Ther . 2016 Aug;24:46 51.
- H Haavik (2015). The Reality Check. Haavik Research.
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