*この記事では院長の近江が一般的に言われていることに関して個人的な思いや考えを発信しています。
「首を自分でポキポキ鳴らすのは結局のところどうなの?」ということですが下の図が全てを説明しています。
最近の研究では、関節が鳴るのは関節を動かした時に圧力の変化により関節内に気泡が発生した音とされています。(1)
そして、自分で首を鳴らすときに動いている関節は、動かすべき関節ではない場所が動いてポキッとなってしまっています。
なぜ動かすべきでない関節が鳴ってしまうの?
人間のからだは常にバランスを保とうとしています。
例えば、1つ動きの悪い関節があると、そこに近い別の関節が余計に動くことによって全体的なバランスを保っています。
上の図の例では、1つの背骨の動きが悪いことで、その上下の関節が余計に動きやすくなっています。
*肩関節に問題があると、肘関節が余計に頑張らなければならない状態になってしまうのも一例です。
つまり、動きの悪い関節のせいで他の部位が動きやすくなってしまい、その部分が自分で首を動かすことによってポキポキとなりやすくなります。
自分で首を鳴らす時はその動きやすい部分をさらに動かしているだけで、本当に動かしたい『動きの悪い関節』は動かせていません。なので自分でボキボキするのはカイロプラクターとしてはあまりおすすめできません。
そこはやはり知識とスキルが伴ったカイロプラクターがしっかりと評価して行わないとできないところです。
自分で鳴らし続けても何も解決しない
確かに関節を鳴らしたりすることで気持ち良さを感じることはあるかと思います。ですがその感覚は一時的なもので根本的な解決にはなっておらず、結局は鳴らし続けることになってしまいます。
ドラゴンボールの戦闘シーンでよくあるようにボキボキと手や首の関節を鳴らすことで相手を威嚇したり、攻撃を受けた後に鳴らすことで「おめー、やるなー」とか余裕を見せて相手を挑発することはできるかもしれませんが。彼らの鍛えられ方は一般向けではないのであまり参考になりません。
不必要に鳴らさないために
経験上の話になってしまいますが、適切なカイロプラクティックアジャストメントを受けていると「首を鳴らす回数が減った」「首が鳴らなくなった」などの声を聞くことがよくあります。
一時的な症状の緩和よりも、時間がかかってもやはり根本的に何が起こっているのかをしっかり見つけて対処することが大事だと思っています。
ちなみにですが指などをポキポキする場合は自分でやってもある程度の外力で特定の関節に対してアプローチできるので首の場合とは少し状況が違ってきます。
おまけ
関節内に気泡が発生した時の音と説明しましたが、参考文献によるとそれは炭酸飲料のふたを開けた時の現象と同じで、「トリボヌクリエーション=Tribonucleation」という名前が付いているそうです。(1)
参考文献:
- Kawchuk GN, Fryer J, Jaremko JL, Zeng H, Rowe L and Thompson R. Real-time visualization of joint cavitation. PLoS One. 2015 Apr 15;10(4).
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