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起立性調節障害(OD)について


起立性調節障害という言葉を聞いたことがあるでしょうか?英語ではOrthostatic Dysregulationと訳されるため、短くODと言われることもあります。

 

特に多感な十代のお子さんに近年みられるようになった身体の問題です。(*最近では大人のODも言われるようになってきました。)

 

めまいが頻繁に起こる・慢性的に疲れている・頭痛があるといった症状がよくみられますが、これらと併せて朝起きられない・学校に行けない・夜眠れないといった問題も発生し不登校につながってしまうことがあります。

 

生理学的な問題、そして心理的な問題が複雑に影響することがODになる原因とされています。ODのお子さんの半分以上が不登校、そして不登校のお子さんの30~40%がODとも言われていて、心身両方に対するアプローチが必要とされています。(1)

 

ただ、世間的にはまだまだ理解や認知がすすんでおらず、どう対処すればいいか(特に親御さんが)悩んでしまう問題の一つです。

 

このページでは、ODの原因・メカニズム・症状、そしてカイロプラクティックや運動でどういったアプローチができるのかを紹介しています。

 

もしあなたが、

  • 「起立性調節障害と診断されたけど何をすればいいの?」
  • 「学校に行けないので単位が心配」
  • 「慢性的な頭痛に悩まされている」
  • 「朝起きるのが本当につらい」
  • 「学校の部活動に復帰したい」

といったことでお悩みでしたら、まずこちらのページを一通り読んでいただきお気軽にご相談いただければと思います。

 

*ODに関する文献が少ないため、なおかつOD自体があまり欧米で使われている言葉ではないので、このページでは起立性不耐性(Orthostatic intolerance)や自律神経の問題(Dysautonomia)に関する情報も踏まえてまとめています。

 

ODになる原因とメカニズムとは


起立性とはそもそも「重力などの負荷が身体にかかった際(寝た状態から立つ時など)に、循環機能がうまく適応してくれない状態」のことを言います。

 

寝てる状態では、身体全体が心臓と同じ高さにあるので特に大きな問題はありません。しかし、立ち上がる際の血流・水圧の変化によって身体にいきわたる血液のバランスがくずれてしまうことがあります。

 

そのバランスのくずれを補正しようと身体がいろいろな反応を起こすため、症状につながるとされています。

 

また、ODに含まれるものとして以下の4つの状態が挙げられ、どういったアプローチが必要かという判断の参考となります。(1)

  • 起立直後性低気圧(INOH: Instantaneous orthostatic hypotension)
  • 体位性頻脈症候群(POTS: Postural tachycardia syndrome)
  • 血管迷走神経性失神(Neurally mediated syncope)
  • 遷延性起立性低気圧(Delayed orthostatic hypotension)

自律神経を介して、心肺系・消化器系などにも影響が出ることがあり、慢性的な精神的ストレスとも関係があるとされています。

 

上記のことから深刻な身体の問題の場合もあるのでまずは医療機関でしっかりと鑑別してもらうことが大切です。

 

ODでよくみられる症状とは


自律神経への影響もあることから、さまざまな症状が出る可能性があります。

 

そこに心理的な問題や、ストレスなども加わるため症状だけからODと判断することは難しいとされています。

 

当オフィスを利用されるODのクライアントさんに共通してみられるのは、さまざまな症状に加えて”姿勢が悪いということ”と”運動習慣がないということ”です。 

 

OSCで行うODへのアプローチとは


立川市のOUMIスポーツカイロプラクティック

原因やメカニズム、症状の項目で説明したとおりODには多くの要素が関係しています。

 

まずは医療機関を受診して深刻な身体の問題ではないかをしっかりと調べてもらうことをおすすめします。

 

その上で、薬やカウンセリングといったアプローチをいろいろと試したみたけど、一向に良くならない、他に何かできることはないのかといった場合は是非、運動・姿勢ケア・カイロプラクティックを含む総合的なアプローチを試してみてはと思います。

当オフィスでは上に挙げる5つの要素を複合的に考えてODへのケアを提供しています。(3)(4)(5)

 

今現在、直接的にカイロプラクティックがODに効果があるといった十分な研究は無い状態ですが、

  • 「カイロプラクティック・姿勢ケア・運動による自律神経への影響」
  • 「カイロプラクティックと運動によるストレスや心理的な部分への影響」

など科学的にもわかっていることを総合的に取り入れ、アプローチを行うという選択肢があります。

 

その他、水分補給や生活習慣の改善などに関するアドバイスも含めて時間を使って丁寧にODに対してケアを行っていきます。

 

まずはお気軽にご相談いただければと思います。


最後に、

 

ODは「単にだらけている、やる気がない」などと誤解されてしまい、理解が進まない身体の問題の一つです。しかし、実際には生理学的に身体に変化があり起こっていることなので、そういったことを理解せずに”無理やり起こしたり、怒ったり”というアプローチでは全く効果がないことがわかっています。

 

本人と周りの人が理解した上で複合的なケアを行うことが大切です。

 

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参考文献:

  1. Tanaka H, Fujita Y, Takenaka Y, et al. Japanese clinical guidelines for juvenile orthostatic dysregulation version 1. Pediatr Int. 2009;51(1):169-179.
  2. Stewart JM. Common syndromes of orthostatic intolerance. Pediatrics. 2013;131(5):968-980.
  3. Lelic D, Niazi IK, Holt K, et al. Manipulation of Dysfunctional Spinal Joints Affects Sensorimotor Integration in the Prefrontal Cortex: A Brain Source Localization Study. Neural Plast. 2016;2016:3704964.
  4. Moustafa IM, Youssef A, Ahbouch A, Tamim M, Harrison DE. Is forward head posture relevant to autonomic nervous system function and cervical sensorimotor control? Cross sectional study. Gait Posture. 2020;77:29-35.
  5. Inami A, Ogura T, Watanuki S, et al. Glucose Metabolic Changes in the Brain and Muscles of Patients with Nonspecific Neck Pain Treated by Spinal Manipulation Therapy: A [18F]FDG PET Study. Evid Based Complement Alternat Med. 2017;2017:4345703.