背骨が横に歪んでしまっている脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう、以下側弯症)というものがあります。名前を聞いたことがある方も多いと思います。
OUMIスポーツカイロプラクティックでも施術に関する問い合わせの多い身体の問題のうちの1つです。
原因がわかるもの・わからないもの、年齢やカーブの状態などによっていくつかの種類に分けられますが、歪みが気になる・見た目が気になる・痛みがあるなど人によって気になる点も違います。
もしあなたが、
- 「子どもが側弯症と診断されたけど何をすればいいの」
- 「見た目が気になるのでどうにかできないか」
- 「腹筋や背筋を鍛えろと言われたけど具体的にはどうすれば」
- 「長距離走のあとに腰が痛くなる」
- 「手術以外に何かできることはない?」
- 「部活動を続けていきたい」
といったことでお困りの方は米国国家資格のOUMIスポーツカイロプラクティックがお役に立てるかと思います。
*この記事ではカイロプラクティックで取り扱うことの多いタイプの側弯症に関してまとめています。
*側弯症に関しては他サイトでも情報がまとめられていますので、総論的な部分に関してはそちらも併せてご参照ください。
一人一人違う原因、多くは原因不明
側弯症には大きく分けて、構築性のものと機能性のものがあります。(5)
- 構築性側弯症とは、先天性の骨の異常によって引き起こされているものなど原因がわかっているもの、または何故なったのかわからない原因不明ものなどがあります。
- 機能性側弯症とは、筋肉のバランスや関節の動きのバランスに差があって歪んでいるように見えてしまっているものなどがあります。
構築性側弯症には原因がわかっているものと、原因がわかっていない(=特発性側弯症)ものがあると言いましたが、その中でも特発性のものが最も多いとされていて約75~85%というデータもあります。(5,7)
構築性側弯症で、レントゲン診断により原因がわかっている場合は整形外科等でしっかりとみてもらうことが必要です。側弯症と最終的に判断するのもレントゲン撮影が必要です。
また側弯症はその名前から脊柱が左右に曲がっているだけと思いがちですが、実は前後・左右・ねじれと複合的に歪んでいることもあるので、3Dで評価することがとても大切です。
最近では、目や前庭など脳のはたらきが関係しているものもあるとの報告もあります。筋肉や関節の動きなどによる脳へのインプットが正しくないことからくる、脳と身体のコミュニケーションの低下によるものもあるとされています。(3)
原因が人によって本当に違ってくるので、1人1人を丁寧に評価する必要があります。
側弯症でよくみられる症状は?
側弯症では以下のような症状がみられることがあります。単に脊柱が曲がっているということ以上に見た目や症状に悩んでいる方も少なくありません。
- 背中側からみて背骨が横に曲がっている(カーブの程度によって見え方はさまざま)
- 姿勢が偏っている
- 肩の高さが左右で違う
- 洋服を着た時に左右差がある
- 筋肉の痛み
- 身体の奥の方の痛み
- 肺疾患
- 過去1年以内に3カ月以上続く腰痛を経験
などなど (5)
どういった症状があるというのは、側弯症の今後を判断する上で参考となります。
筋肉のバランスという点では、広背筋・腰方形筋・腹斜筋・腸腰筋などに影響が出ることがあります。(8)
以前は運動やスポーツが制限される場合もあったようですが、現在では出来る範囲で積極的に参加するべきとされています。(4)
思春期特発性側弯症(AIS)について
特発性側弯症はその年齢に応じて名前が変わるのですが、10才~成長期が終わるまでに起こる(発見される)側弯症として思春期特発性側弯症(Adolescent Idiopathic Scoliosis)があります。(5)
男子と比べると女子に多い傾向があり、特発性なので原因がわからないタイプのものに属しています。
OSCへの問い合わせと来院が多いのがこのAISです。
最近では側弯症のスクリーニングを学校や地域単位で行っていて早期発見につながることも多いです。
ですが、その時点で数か月後に再診を促されていながら受診していなくて放置してしまったという方も意外と多い印象です。
早期発見、早い段階で側弯症の有無とその程度を知っておくのはとても大切なので、スクリーニング等で側弯症と言われた場合は素直にお医者さんに従いましょう。
特にカーブが短期間に進行してしまっているような場合は早い段階での対処が必要になります。
徒手でのアプローチが脊柱のカーブに良い影響を与えるという報告もあり、スポーツを続けることも推奨されています。(2,4)
普段の姿勢や呼吸も影響するとされているので、この時期から正しいものを身につけておくことが大切です。
側弯症治療に関するガイドラインを発表しているSOSORTという組織があります。その2016年のガイドラインの中ではAISを取り扱う場合で、手術などを行わない保存療法の目的を以下のものとしています。(2)
- 思春期における(側弯症の)カーブの進行を止める。(*可能であればカーブを減少させる)
- 正しい呼吸をみにつける。
- 脊柱部の痛みを予防、もしくは痛みの改善。
- 姿勢の矯正を通して見た目を改善する。
機能性側弯症について
機能性側弯症(Functional Scoliosis)は姿勢やポジションによってカーブの見え方が変わるもの、筋肉のバランスの違いによって歪んでいるようにみえているもののことです。
過去のケガが原因で筋肉の付き方のバランスがくずれてしまった場合や関節バイオメカニクスの問題から側弯症に見えてしまうことがあります。
左右の脚の長さが違う、普段の姿勢が原因となる場合もあります。
機能性のものかを判別するために、アダムテスト(Adam's forward bend test)というものがよく行われます。側弯症かどうかの最終的な判断にはやはりレントゲンが必要になります。
このタイプの側弯症では腰痛や前にかがむと痛いなど痛みと併発していることが多いです。
機能性のもので痛みをどうにかしたいという場合はカイロプラクティックという選択肢も是非考えてほしいです。(機能性かどうかわからない場合もご相談ください)
大人になってから起こる側弯症について
大人になってから起こる側弯症(Adult Scoliosis)は子どものものとは多くの点で違います。
AISが残ってしまっているものの他に、以下に挙げるような理由で後天的になってしまったものが原因として考えられます。(6)
- 筋スパズム・痛みによるもの、椎間板、椎間関節、内臓や脊髄の問題があったことによってなったもの。
- 加齢による関節の変性や骨密度の低下が関係しているもの。
特に50才を過ぎてから悪化する傾向があり、痛みを伴うことが多いとされています。
また心肺機能との関連も考える必要があります。
大人の背骨は子どもの頃と比べて動きが硬くなっているので、子どもの時にみられるような改善がみられないことが多いです
痛みを軽減したいのか、見た目を整えたいのかなど本気で治療するのであれば目的をしっかりとしなければならないところです。
評価を行い施術とエクササイズが適切かどうかを判断します
側弯症には多くのタイプがあり、その原因も人によってさまざまです。
その人の状態によって出来ることも運動・エクササイズから装具・コルセット治療・外科手術まで幅広くあります。
特にお子さんが側弯症と診断された親御さんは、何かできることはないかと探し始めます。
しかし、情報が多すぎてどこで何をしてもらえるのかがわからない・見つけられないという相談をよく聞きます。
まずはしっかりと時間を使って、疑問に答えてくれる専門家に見てもらい、数ある選択肢の中から目的にあったものについて納得いくまで話をできるところに相談することが大切です。
OUMIスポーツカイロプラクティックではそういった相談をよく受けていて、カイロプラクティック・エクササイズ・他の専門家への紹介など初回の評価から可能性として何ができるかというのをお伝えしています。
カイロプラクティックによる側弯症へのアプローチ
関節や筋肉を含む身体からの情報が上手く脳へと伝わらず、脳が身体の状態を正確に理解できていないことが側弯症の1つの原因として考えられます。
”背骨の問題→神経のはたらきへの影響→身体の状態をうまくコントロールできない→関節・筋肉への影響→背骨の問題へ”といったようにカイロプラクティックサブラクセーションによる説明もあてはまる部分です。
負のサイクルが続くとどんどん身体は変わってしまうのでなるべく早い段階で専門家に見てもらうことをおすすめします。
カイロプラクティックアジャストメントによるカーブの改善例はいくつかあり、運動・エクササイズを併用することでの改善例も報告されています。(1)
側弯症に対するカイロプラクティックの目的としては、(6)
-
セグメントレベルで脊椎の動きを維持しておくことで、脊柱がより良く動かせる状態を維持する
-
アジャストメントにより頚椎のはたらきを整えることで、立ち直り反射や自分でバランスを調整するはたらきの維持
-
より正確な身体の情報を脳へと送ることで、身体・関節の位置などをより正確に把握できるようにする
側弯症をどうしたいのかという目的をしっかりと定めた上でカイロプラクティックという選択肢を利用してほしいと思います。
上で紹介したタイプの側弯症に関しては是非一度ご相談ください!
OUMIスポーツカイロプラクティックでは、
- 背骨や骨盤などにカイロプラクティックアジャストメントを行い、脳がからだの状態を正しく把握できるようにサポートします。側弯症のため偏っている背骨の動きを正確に評価して行うことが大切です。
- ”目的を明確に”。1人1人にあった評価を時間をかけて行っています。
- 日常生活で改善するべきところ、適切なアドバイスやエクササイズは正しい評価があってこそ提供できるようになります。
- カイロプラクティックで出来ること、OSCで提供できるものをしっかりと説明させていただき、その他の選択肢、他の専門家への紹介も含め納得のいく方法を見つけ出すお手伝いをします。
まずは正しい評価から。お気軽にご相談ください。
*初回の評価をもとに作成したケアプラン(施術計画書)に沿って、根本解決をサポートします。
*検査結果によっては医療機関の受診・再受診をすすめることもあります。
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参考文献:
- Morningstar MW, Stitzel CJ, Siddiqui A and Dovorany B. Chiropractic Treatments for Idiopathic Scoliosis: A Narrative Review Based on SOSORT Outcome Criteria. J Chiropr Med. 2017 Mar;16(1):64-71.
- Negrini S, Donzelli S, Aulisa AG, Czaprowski D, Schreiber S, de Mauroy JC, Diers H, Grivas TB, Knott P, Kotwicki T, Lebel A, Marti C, Maruyama T, O'Brien J, Price N, Parent E, Rigo M, Romano M, Stikeleather L, Wynne J and Zaina F. 2016 SOSORT guidelines: orthopaedic and rehabilitation treatment of idiopathic scoliosis during growth. Scoliosis Spinal Disord. 2018 Jan 10;13:3.
- Woo EJ, Siegmund GP, Reilly CW and Blouin JS. Asymmetric Unilateral Vestibular Perception in Adolescents With Idiopathic Scoliosis. Front Neurol. 2019 Dec 3;10:1270.
- Green BN, Johnson C and Moreau W. Is physical activity contraindicated for individuals with scoliosis? A systematic literature review. J Chiropr Med. 2009 Mar; 8(1): 25–37.
-
Physiopedia. Iliotibial Band Syndrome. Retrieved from: https://www.physio-pedia.com/Iliotibial_Band_Syndrome
-
Souza TA (2014). Differential Diagnosis and Management for the Chiropractor 5th Edition. Burlington, MA: Jones & Bartlett Learning.
- MedBrdige. Adolescent Idiopathic Scoliosis. Retrieved from https://www.medbridgeeducation.com/.
- Christa Lehnert-Schroth and Petra Grobl. シュロス法による側弯症治療. ガイアブックス (2015).
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