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【資格解説】スポーツカイロプラクターはどうやってなる?ICSC取得のステップ①
スポーツに関わる人の身体を専門的にサポートする「スポーツカイロプラクター」って、どうやってなるの?

今回は、近江が実際に取得した国際資格「ICSC(旧ICCSP)」への道のりを、2回に分けてご紹介します。
カイロプラクティックに関する資格の話は、なかなか狭いところをついているかもしれませんが、スポーツ現場で活躍するカイロプラクターって何ができるの?」という方にも、少しでも参考になるようにまとめていきます。
国際認定資格ICSCとは?

2019年、私は「ICCSP(International Certified Chiropractic Sports Practitioner)」というスポーツカイロプラクターの国際認定資格を取得しました。現在では「ICSC(International Certified Sports Chiropractor)」という名称に変更されています。
この資格は、国際スポーツカイロプラクティック連盟(FICS: International Federation of Sports Chiropractic ) が発行するもので、世界中のスポーツ現場で活動するための基準となる資格のひとつです。
ICSC取得には前提資格が必要
ICSCを取得するには、いくつかのルートがあります。私の場合は、アメリカの「認定スポーツカイロプラクター(CCSP®)」という資格を先に取得していたため、少し異なるルートで進みました。まずは、このCCSP®についてご紹介します。
CCSP®とは?(Certified Chiropractic Sports Practitioner)
CCSP®は、米国スポーツカイロプラクティック協会(ACBSP)が認定する資格です。この資格を取得する方法は、いくつかあります。(※以下は2025年時点の条件です)
以下のいずれかの条件を満たし、公式な証明書類を提出できるカイロプラクティックの有資格者が、CCSP®の試験を受験できます。
- 認定カイロプラクティック大学で、CCSP®プログラムにおける100時間以上の卒後教育を修了している
- アスレティックトレーナー(ATC)の資格を保有している
- スポーツ医学分野の修士号(MS)を、認定大学で取得している
- スポーツ医学の研修医プログラム1年目を、認定大学にて修了している
- 追加で必要な救急対応スキル:
- 救急処置の実技を含むコース(卒後教育または追加履修)
- 実技付きCPR(心肺蘇生)コース(オンラインのみの講習は不可)*試験前までに有効な証明書を提出する必要があります
上記を修了後に200問に及ぶ筆記試験に合格する必要があります。さらに、修了後3年以内に試験を受けなければならず、受験回数は最大3回までと定められています。
CCSP®試験の内容

試験では、以下のような内容が問われます。
- スポーツドクターとしての概念
- 運動生理学・臨床バイオメカニクス
- スポーツ傷害の予防・評価・対応
- スポーツ栄養学
- 環境とアスリート
- 代替療法・補助療法
- スポーツ医学関連の臨床能力と画像診断
- 緊急時の対応・CPR
- 法的・倫理的な知識
などなど、幅広い知識が求められる試験です。
近江のケース:修士課程からのルート
近江は、米国ジョージア州のライフ大学にて、スポーツカイロプラクティックとスポーツ科学に関する修士号を取得していました。
この課程では300時間以上の専門的な講義を受けるため、試験の受験資格が与えられます。試験対策は大変でしたが、無事に合格し、CCSP®を取得することができました。
CCSP®取得後は
資格を維持するには、年に一定数の継続教育単位(セミナーや研修)を取得することが求められます。知識のアップデートを欠かさず、常に現場で信頼される存在であることが必要です。
なお、CCSP®の上位資格としてDiplomate of American Chiropractic Board of Sports Physicians(DACBSP®)というプログラムも存在します。こちらはさらに専門性と臨床経験が求められるため、取得には相応の準備と覚悟が必要です。
いよいよICSCプログラムへ
今回は、ICSC取得の前段階となるCCSP®取得までのプロセスをご紹介しました。次回は、いよいよICSC本体の内容、受講したセミナーや実習、そして取得に至るまでの過程を詳しくお伝えします。
スポーツカイロプラクティックの現場に興味のある方、あるいは資格取得を検討している方の参考になれば幸いです。