近年人気が出てきて、競技人口が増加しているスポーツの1つにトレイルランニング(トレラン)があります。人気のレースは申し込み当日に埋まってしまったり、ある一定のレベルに達することで参加できるレースなどもあるようです。
景色を楽しみながら自然の中を走るというのはとても気持ちのいいことだと思います。
ですが、マラソンなどのように平らな道を走るのとは異なり、でこぼこした山道を走る割合が増えるため、身体に対するストレスも通常のランニングとは違い、そのことがケガにつながることもあります。
*国際トレイルランニング協会(ITRA)によると、舗装されたまたはアスファルトの道路がコース全体の20%以下であることがトレイルランニングとされています。
さらには、ウルトラマラソントレイルランニングといったような走行距離がフルマラソン(42.195km)以上のレースも少なくありません。
ランニングでみられるようなケガと似たものが多いですが、ここでは特に長い距離を走るトレランでよくみられる身体の問題について説明していますのでご参照ください。
◎一口に身体の問題と言っても、いわゆるケガ(捻挫や筋挫傷など)といったものから、擦り傷・切り傷、脱水、標高の変化に起因する問題などさまざまですが、ここでは特に筋骨格系のものに関してまとめています。
ケガが起こりやすい部位について
トレランでは以下の部位におけるケガ・障害が多いとされています。(1)
足底腱膜(足部)・足首・アキレス腱(下腿)・膝・太もも・腰
運動強度、筋肉の使われ方(伸張性収縮)、気温の変化、脱水などが筋肉に与える影響が大きいです。
また、転倒を防ぐためにバランスをとろうとすることも筋肉に通常より大きなストレスがかかります。
トレランで起こりやすいケガ
ケガの種類として、急性のものはレース・トレーニング中の捻挫などがありますが、多くはオーバーユーズ・慢性的なストレスによるものとされています。
- 足関節捻挫
- 足底腱膜障害(足底筋膜炎)
- アキレス腱炎
- 膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)
- ランナー膝(腸脛靭帯炎)
などがよくあるケガ・障害として挙げられます。
登りを前傾姿勢で走ることによる腰椎・骨盤帯・股関節複合体(LPHC)やハムストリングの影響から腰痛が一番多いとする意見もあります。(2)
その他、膝窩筋が原因で膝に痛みが出ることも多い印象です。
膝の痛みと膝窩筋
膝窩筋(Popliteus)は膝の裏の深いところにあるとても小さい筋肉なのですが、膝の曲げ伸ばしの際の安定性においてとても重要な役割をもっています。
また、”すね”が捻じれてしまうような動きが起こった時や下り階段・下り坂を走る際にも膝を安定させるために働いています。
トレランでは平らな道ではなく、でこぼこした道や下りの急な道を走ることで、足首の動きなどを通してこの筋肉に負担が多くかかってしまうことがあります。
そのストレスがかかることで、膝に痛みといった症状が出てきてしまいます。「膝の裏が痛い」「膝の外側が痛い」と言った時はこの筋肉が影響しているかもしれません。
膝の外側の痛みに関しては、よくランナー膝と間違われてしまうことが多いので注意が必要です。OSCを利用されている方の中でも、ランナー膝だと思って来てみたら膝窩筋の問題だったということがよくあります。
ケガで後悔せずにトレランを続けていくために
まだまだレクリエーションとしてのイメージが強いせいか、「身体ケア」という言葉があまり浸透していないスポーツのように思います。
実際に行っている活動としては、なかなかの負荷とストレスだと思うので是非楽しくトレランを続けていく為にもご自身の身体をケアしてくださいね。
OSCではカイロプラクティックをベースに関節・筋肉へのアプローチ、それを活かすためのエクササイズやアドバイス、テーピングやセルフケアを学んでもらうといった総合的な身体ケアを提供しています。
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ケガ予防のためのテーピングを
テーピングはケガをした時に、痛い時に貼るというイメージがあると思いますが、予防のため・パフォーマンスアップを目的として利用することも可能です。
特に予防のためのテーピングは今回引用した参考文献においても推奨されています。(1)
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参考文献:
-
Oosthuizen et al. Common ultramarathon trail running injuries and illnesses: A review (2007-2016). IJMMS. April 2019; 11(4): 36-42.
- Malliaropoulos et al. Prevalence of injury in ultra trail running. Human Movement. 2015; 16(2): 52-9.
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